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管理人よりちょっと前置き

管理人よりちょっと前置き >>> Q&Aでご質問(記事 No.041 2013年9月12日付)されていた匿名希望さんが、2014年1月に坂口耳鼻咽喉科で手術入院されることになりました。海外に住んでいらっしゃいますので初診検査、術前検査、入院準備や長期滞在 型ホテルの手配、術後経過観察に至まで色々な不安があったようですが、手術も含めて全て上手く行ったと帰国後に「体験記」をお寄せいただきました。

ありがとうございます。

「強度の鼻中隔彎曲症 福岡での手術入院~私の体験記」

匿名希望さんより 2014年2月9日 18:03

症状

昔から鼻の通りが悪く、以前、耳鼻科を受診したところ鼻中隔彎曲を指摘された。特に睡眠時には左鼻が詰まっていることが多かった。

福岡で受診することになったきっかけ

 鼻中隔彎曲矯正術を受ければ症状が改善するケースが多いと聞き、いずれ手術を受けてみたいと考えていた。数年前から韓国在住であり、韓国で手術を受けることも可能だと思われたが、やはりいろいろな点を考慮し日本での手術を希望していた。術後もしばらく通院が必要だと聞いていたので、韓国から行き来しやすいという点で福岡がよいだろうと考え、福岡の耳鼻科でネット検索したところ、「山下弘之先生に感謝する患者の会」というサイトを見つけた。サイトには山下先生への質問を受け付けるコーナーもあり、そこで疑問点などを尋ねたところ丁寧に回答してもらえた。具体的には、術後の通院の頻度・期間、術前検査はいつ頃行うのかなど。サイトを運営する岡田さんとのやりとりも含め、この病院なら事前に不安を解消したうえで受診できそうだと思ったこと、また 山下先生や坂口先生の評判がよさそうなことなどが決め手となって、この病院での受診を決めた。ただ山下先生が診察している天神耳鼻咽喉科では入院設備がないとのことで、入院手術が可能な西区の坂口耳鼻咽喉科で受診することにした。

受診・手術までに準備したこと

・坂口先生が診察に出ている日を確認して初診日を決め、それに合わせ飛行機やホテルの手配をした。

・初診時に手術適応と判断され、手術日(月・木)はこちらの希望に沿った日にちで設定された。それに合わせて術前検査の日にちも決めた(手術の約2週間前)。

・韓国在住で、日本の住民票も抜いていたため、日本の国民健康保険には加入していなかった。金額によっては自費でもよいかと考えていたが、トータルで70~80万円くらいかかると聞き、やはり負担が大きいため転入届を出して国民健康保険に加入した。

・手術後はおおむね1ヶ月間、週に2回ほど通院が必要と説明を受けた。手術は坂口耳鼻咽喉科で受け、退院後の通院はアクセス面で便利な天神耳鼻咽喉科などでも対応できるとのことだったので、天神エリアでマンスリーマンションを1ヶ月申し込んだ。

手術~退院まで

 手術は19時からの予定。入院は10時と言われたが、19時の手術まで時間を持て余しそうだったので、入院時間を14時30分に遅らせてもらった。ただし13時以降は絶飲食。手術室には予定より早めの18時30分に入室、約1時間30分で病室に戻ってきた。手術翌日・翌々日と診察を受け、予定通り翌々日の11時ごろ退院。退院時に、退院後の通院の日にちと通院する病院を看護師と決めた。

手術日が月曜日だったため、本来なら鼻の詰め物を抜去するのがその1週間後の月曜日の予定だったが、その月曜日が祝日であったため翌日の火 曜日に設定。以降、週2回の通院は火・金と設定した。火曜日は坂口先生が国体クリニックにいらっしゃらないとのことだったので、火曜日は天神で山下先生の診察を受け、金曜日は国体で坂口先生の診察を受けることになった。

術後の痛みには痛み止めの座薬で対応した。

退院後~韓国に戻るまで

 痛みは術後時間が経過するに連れて多少和らいできたが、術後約1週間後の火曜日にドレーンやガーゼなどを抜去するまでは鼻の圧迫感や閉塞感は持続。また味覚もよく分からないため食欲も低下した。ガーゼなどを抜去した日は、抜いたことによる痛みが強く、あらかじめ退院時にもらっておいた痛み止めの内服薬を 服用した。その後の経過は順調。

週2回の通院は手術の25日後までで一旦終了。その後は2週間後に受診するようにとの坂口先生の指示を受け、一旦、福岡から韓国に戻った。以降、患部にかさぶたがつかなくなれば、診察は1ヶ月に1度で良いでしょうと言われる。

術後約1ヶ月経過し、振り返ってみて

 福岡で受診・手術を受けることを望んだものの、どの病院がよいのかまるで見当もつかなかったとき、岡田さんが運営されている「山下弘之先生に感謝する患者の会」のサイトを見つけたことは幸いだった。このサイトによって、山下先生のことや坂口先生のことを知り、また疑問点や不安な点を具体的にネット上で質問することができたのも、非常にありがたかった。「患者の会」という「窓口」がなければ、直接病院に細かな質問をするのは難しかっただろうと思う。サイトのおかげで不安を解消したうえで手術に臨むことができた。また、山下先生も坂口先生も診察時に丁寧に具体的に説明してくれたので、安心だった。

現在、鼻の通りは改善されたと実感している。突発的にうずくような痛みがあるときもたまにあるが、痛みが持続するわけではない。睡眠時も以前は鼻が詰まっていたが、それも改善された。

ちなみに約1ヶ月の滞在には「アクセス天神」というマンスリーマンションを選んだが、ここも大正解だった。場所も天神耳鼻咽喉科や国体クリニックまで徒歩圏内で、付近にスーパーなども揃っていて生活に便利だったし、また何よりスタッフの方々が非常に親切だった。きめ細かに対応していただいた。ほかのマンスリーマンションに比べて値段も手頃で、サービスはとても充実していた。

費用について

 高額療養費制度を利用する際、「限度額適用認定証」を提示すれば便利ですよと、坂口耳鼻咽喉科で教えてもらった。詳しくは → http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151

この制度は非常にありがたかった。退院時の支払いは現金しかダメなので、もしこの制度がなければ一時的にでも多額の現金を持ち歩かねばならないという点で、不安があったと思う。しかし、この制度を利用すれば、実際に支払う金額(自己負担限度額と保険適用外の部分)だけを用意すればよく、多額の現金を持ち歩くという不安を軽減することができた。

また、私の場合、転入届けを出す直前まで海外在住だったということで、「被保険者の所得区分」が「低所得者」と区分され、自己負担限度額は 35,400円で済んだ。これに、入院中の食事代や手術に使用した保険適用外の材料費、個室料金などがプラスされ実際には5万円台になったが、予想していたより出費が抑えられて助かった。

診ていただいた先生方

執 刀 医:医療法人SSC 坂口耳鼻咽喉科 坂口伸治 先生

経過観察医:医療法人SSC 坂口耳鼻咽喉科 坂口伸治 先生

経過観察医:医療法人SSC 天神耳鼻咽喉科 山下弘之 先生

<坂口先生>

以前、別の耳鼻科で診察を受けた際、「口唇口蓋裂の既往があるため(幼少時に手術)、鼻中隔矯正術をするにしても思い切った手術ができない」と、手術よりも保存的な治療(内服薬で様子を見るなど)を勧められました。

そのため、坂口先生の診察を受ける前は、同じような理由で手術はできないと断られるのではないかと少し心配していました。しかし坂口先生は初診時に、「鼻中隔の手術をするにあたり、口蓋裂はまったく影響ないですよ」と、あっさり手術は可能だと見立ててくださり、ほっとしたのを覚えています。

鼻の中をスコープで映し出した映像を示しながら、詳しく分かりやすく説明してくださったり、てきぱきと、かつ患者への説明は充分にしながら診察される様子は、患者や家族としても非常に安心できるものでした。

手術に対しても、経験豊富な坂口先生なら安心しておまかせできると感じました。

<山下先生>

HPでいろいろなエピソードを拝見していた通り、常に患者の立場に立って行動される先生だと感じました。とにかく患者に対する説明が非常に丁寧で、とても安心できました。鼻に詰めていたガーゼやドレーンなどを抜いたときも、1つ1つ抜きながら「これガーゼね」「これドレーン」などと抜いた物を見せながら説明してくれました。

また止血のために入れておく綿花についても「これね、食べても無害なんですよ」と言いながら実際にその綿花を少しちぎってパクッと口に入れて食べられたり、また「1カ月間は酒は控えてくださいね。以前、3週間目で飲んで大出血された方がいましたから。どうしても飲む場合は昼間に。夜だと救急車呼ばないといけなくなりますからね」などとユーモアたっぷりで、親しみやすい雰囲気、何でも相談しやすい雰囲気を作ってくれる先生でした。

時々「あの先生の顔を見ただけで(病気が)治る気がする」と言われる医者がいますが、山下先生はまさにそうだと思います。

管理人より

これまで、日帰り手術や入院手術は術後に症状が急変した時のことを考え、医療法人SSCグループに限らず、どこの医院でも(原則として)遠方の患者さんはご遠慮というのが実情でした。

しかし、匿名希望さんのような方法さえとれれば、遠方の方でも手術治療も可能になるというこのケースは先生方の意識以上に患者の意識を変えていくモデルケースになっています。

(勿論、受け入れてくれる医院や医師の協力がないと話にはなりませんが)この体験記を元に国内外を問わず、遠方の患者さんも治療に希望が持てれば良いなと思っています。

【匿名希望さんへ】

最初の始まりから治療費や経過のことまで詳細に書いていただきありがとうございます。

この貴重な体験レポートは、同じような症状で苦しまれいる患者さんや、様々な不安の中でどうしたらいいかと悩んでいらっしゃる患者さんにとって1つの道しるべとなる有益な情報になりました。

体験記をお寄せいただき心より感謝お礼申し上げます。

【PHOTO】

匿名希望さんとメールのやりとりすること数十回。抜糸も終わり経過観察も順調というご報告を受け帰国される4日前、(私も診察がありましたので)天神でお会いすることになりました。

ソラリアにて

※管理人の判断でお顔にモザイクを掛けさせていただきました。

短い時間でしたが楽しいひと時でした。韓国のお茶やお菓子などお土産をいただいて恐縮です。(^_^;) トウモロコシのヒゲのお茶がお気に入りになってしまいました。

また福岡に来られた際はご連絡ください。

次は博多ラーメンでも食べにいきましょう!

ありがとうございました。2014年2月13日 管理人 岡田