においを感じない好酸球性副鼻腔炎が急増中
雑誌など
雑誌名:働く女性のためのクリニック・病院ガイド
掲載日:2014年10月20日
発行:株式会社アヴァンティ 編集部さま
慢性的な人ほど、危険信号!
においを感じない…。
それは、鼻のSOS!
新型鼻づまりが急増中。
何を食べても美味しくない。醤油やコーヒーの匂いを感じない。鼻づまりで苦しい。
鼻づまりやにおいを感じないなどの症状は、実は「新型鼻づまり」という病気かも…
今、急増する"現代の鼻病"について、福岡県内で耳鼻咽喉科を7院展関する『医療法人SSC』に取材しました。
編集部
これからの季節は特に、鼻水、鼻づまりに悩まされる時期ですが、近年新しい鼻の病気が増えていると聞きました。詳しく敢えてください。
門川先生
空気が乾燥して花粉が増える秋は、特に鼻に関する症状が出やすい季節。熱はないのにくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が出る、長引く場合には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎が疑われます。また最近は「好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん) =新型鼻づまり」という新たな副鼻腔炎が増えています。
編集部
具体的な症状はどういったものがありますか?
門川先生
鼻づまり、何を食べても美味しくない。味覚・風味が分からない。鼻づまりがなくても"ニオイ''を感じなくなってきた、と思ったら要注意です。またぜんそくがある方は特に注意が必要。鼻の中にぶよぶよとした白いものが見つかる場合が多いですが、これは「鼻ポリープ(鼻茸)はなたけ」と呼ばれる、鼻の粘膜が炎症を起こして肥大化したもの。小さな鼻ポリープが多発していたり、早くから嗅覚障害が見られる場合は「好酸球性副鼻腔炎」を疑います。血液検査で好酸球の割合を調べることも診断のひとつの目安です。
編 集 部
どうすれば症状は改善するのでしょうか?
門川先生
「好酸球性副鼻腔炎」は、季節や体調によって症状が悪化したり、よくなったりを繰り返します。ただ、よくなったからといって油断は禁物。放っておくと悪化するばかりか、嗅覚が元に戻らなくなるケースもあります。薬による対処療法は徐々に薬が効かなくなる場合もあるため、根本から改善するには手術をおすすめしています。
編 集 部
手術とはどのようなことをするのでしょう?
門川先生
当院では正常な粘膜を傷つけることなく切開や切除する部分を必要最小限に抑えた手術が可能です。また、すべての副鼻腔を開放し、膿がたまらないようにする内視鏡下鼻内手術を行い、再発のリスクを抑えます。入院期間は3日程度ですが、仕事が忙しいなど時間の都合がつかない方には、日帰り手術を行っています。当院では、患者さんの症状の経過やつらさを確認し、正確な診断を行って治療に臨むことが、症状の改善と悪化防止の第一歩だと考えています。どんなにつらい症状も、改善の糸口は見つかります。鼻づまりや嗅覚異常は慢性化すると特に気づきにくくなりますが、それらの症状は鼻に異常があるという重要なサイン。「いつもの鼻づまりだし‥‥」とあきらめず、まずは相談してください。
編 集 部
治療とともに症状を悪化させないための注意や予防も大切だと思います。
門川先生
アレルギーの場合は、こまめに掃除をして室内を清潔に保つなど、アレルゲンを近づけないことから始めましょう。副鼻腔炎は風邪がもとで発症したり、症状を悪化させたりするので、風邪をひかないよう注意することも予防の一つです。医師の立場からは、過去の症状の経過や患者さんの辛さを確認し、正確な診断を行って治療に臨むことが、改善と悪化防止の第一歩と考えます。診察の際にはどんなことでも相談し、状況を伝えて、よりよい改善策を見つけていきましょう。
編 集 部
先生が「数少ない内視鏡による鼻内手術のエキスパート」と言われる理由が分かった気がしました。ありがとうございました。
取材協力 「坂口耳鼻咽喉科」副院長 門川洋平先生 Profile産業医科大学医学部卒業後、産業医科大学病院耳科勤務。 九州労災病院、熊本労災病院などを経て、医療法人SSCグループ「坂口耳鼻咽喉科」副院長に就任。 各医院の手術も担当している。 |
avanti 2014年11月号に掲載されていました。 都市部ではフリーペーパーが数多くありますが、その中でもavatniさんは日本フリーペーパー大賞2013で「審査員特別賞」を受賞するような読者の利益になっているフリーペーパーです。発刊20年の歴史もあります。 大手企業に勤める私の知人も「会社で読んでいるよ」って言っていました。 avantiさん、これからもより良い取材に期待しています。 |
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